2023/06/27
良いお天気の日は足取りも軽く・・・と、行きたいところですが、どこか痛いと気持ちも沈みがちになって外出も億劫になってしまいます。
痛みはすぐにでも取りたいですね。
痛みを取るための治療は様々ありますが、一番最初に頭に浮かぶのは『痛み止めのお薬』ではないでしょうか。
整形外科含む多くの医療機関で処方される痛み止めは、主に解熱や鎮痛目的に使われる非ステロイド系抗炎症剤です。
飲み薬、塗り薬、血管注射、筋肉注射、湿布などなど種類はたくさんあります。
その中で、先日勉強会で学んだジクトルテープについて書いていきます。
ジクトルテープは、サロンパスでお馴染みの製薬会社さんが作ったテープ型の消炎鎮痛剤です。
主成分はボルタレンと同じジクロフェナクナトリウムです。
皮膚に貼るお薬、経皮吸収型持続性疼痛治療剤です。
1日1枚および2枚を貼って、24時間ごとに貼りかえるテープ型の痛み止めです。
1枚が75mgですので、ボルタレン錠25mg3錠分の量と同じになります。
皮ふから吸収させるため、食前食後だろうと、空腹であろうとなかろうと、いつでも使用できます。
錠剤を飲み込むことが困難な方なども、容易に使用できます。
24時間持続的に身体に取り込めるので、薬剤の血中濃度を一定に保つことができます。
薬剤はある一定の血中濃度の達することで効果が現れます。
例えば1日3回飲む薬剤は、1日3回飲むことで効果が現れる濃度を維持します。
内服薬は飲み忘れたり、外出時に持って行き忘れたり、あら、飲んだかしら?とわからなくなったりすることもあります。
経皮吸収型の薬剤はその心配がないですね。
お風呂上りにパッと貼ってしまえば、翌日の入浴前まで投薬のタイミングなど気にしなくて済みます。
お薬ですから、副作用のことも気になりますね。
詳しくは、ジクトルテープ処方時に説明がありますからよく聞いてくださいね。
一番の副作用は貼付部位の皮ふトラブルでしょうか。
予防するには、優しく皮ふを押さえながら、ゆっくりゆっくり剥がしてください。
勢いよく剥がすと皮ふを痛めてしまいます。
毎日貼る位置をかえることも非常に大切です。
貼る場所は、胸部・腹部・背部・腰部・大腿・上腕です。
湿布みたいだから痛いところに貼るんでしょ?と思いますが、そうではありません。
ジクトルテープは、毛根や汗腺やその他皮ふの穴から入った薬剤を、毛細血管が取り込んで全身に作用させる目的の薬剤です。
効率的に薬剤を吸収させることができる決められた場所に貼ってください。
そしてお腹に貼ってかゆみが出ても、太ももに貼るとトラブルなく貼れることもありますので、ご自分なりの良い場所を探してみてください。
痛いところに貼ったら更に効きそう!と思うかもしれませんが、残念ながら指定部位以外に貼りますと、吸収率が落ちてしまうため薬効が十分に得られない可能性が出てきます。
テープを貼る場所は、血管が豊富で、更に確実にテープがまんべんなく密着できるところになります。
体毛が濃いところは、毛に邪魔されて薬剤部分と皮ふが密着できず、十分に吸収されにくい状態になります。
膝や肘など関節部分は皮ふが硬くて、動かすことで剝がれやすく、テープにしわが寄りますし、何かに当たって摩擦も起きて剥がれやすいですね。
痛いところに貼りたい気持ちはよくよく理解できますが、せっかくのお薬ですので正しく使用することでより良い効果が期待できます。
最後に、このジクトルテープ。
効果が発揮されるまで数日かかります。
湿布やボルタレン錠やロキソニン錠のように、痛い時にだけ飲む頓服という使い方はしません。
1日だけ貼って、効かない!!とやめずに、先ずは1週間毎日貼り続けてみてください。
血中濃度が安定してきてからが本領発揮となることでしょう。
※薬剤は用量用法を守り、飲み方、使用法に疑問や不安がある時は、医師及び薬剤師に相談して正しく使いましょう。
看護部主任:川井美和