2025/01/06
本格的な夏本番になる中いかがお過ごしでしょうか?
巷では、新型コロナウイルス、インフルエンザ、ヘルパンギーナなど感染症は続いていますが自分は元気です!
突然ですが、「足が痺れる」という症状が出たら皆さんは何を疑いますか?
①腰椎椎間板ヘルニアなど脊柱の疾患
②糖尿病や熱中症など内科的疾患
③脳血管障害
正解としては全部の可能性があります。
当院はリハビリテーション科・整形外科になりますので対象疾患は①腰椎椎間板ヘルニアなどの脊柱の疾患になります。
②糖尿病などの内科的疾患の場合は内科へ受診
③脳血管障害の場合は脳外科へ受診
となります。
先日、腰部の勉強会をしました。
基本的な腰の解剖から院長が診察で行う整形外科テストなどを行いました。
腰椎椎間板ヘルニアとは
脊柱と脊柱にある椎間板という組織が脱出して脊髄や神経根を圧迫して下肢への痺れを出す疾患になります。
好発年齢:20~40代
好発部位:L4/5・L5/S1
症状:腰~下肢にかけての痛み・痺れや足の力の入りにくさ。感覚異常、筋力低下など
原因:退行性変化(加齢)や力学的変化(スポーツや日常生活)
診断方法:痛みや痺れの確認。下肢の神経学的検査【SLR・腱反射・筋力検査など】
レントゲン【脊柱と脊柱の間隔】やMRI【椎間板や神経の状態】
腰から足にかけての神経学的検査で代表的なものは
「SLR:Straight Leg Raising 下肢挙上テスト」です。
検査意義としては坐骨神経に由来する症状の有無を確認します。
実施方法は患者を仰向けに寝かせ片方の下肢を完全伸展位、検査側の脚を完全伸展位で挙上します。正常な場合70°程度(男性65°女性75°)は疼痛なく挙上可能です。
※ 画像1
坐骨神経に障害がある場合、臀部、大腿後面~下腿後面に痺れや疼痛が生じ、下肢挙上困難となります。
合わせて「腱反射」もよく行うテストとなります。
検査意義としては神経根障害がどの部位で起きているかを調べるためのテストになります。
「PTR:Patellar Tendon Reflex 膝蓋腱反射」と
「ATR:Achilles Tendon Reflex アキレス腱反射」を行います。実施方法は背臥位膝関節軽度屈曲位で膝蓋腱・アキレス腱を打腱器で打診して亢進・正常・減弱・消失の4段階で判定を行います。
※ 画像 2
腰椎椎間板ヘルニアなど神経根障害の場合は減弱となり脳血管障害の場合は亢進になる事が多いです。
「筋力検査」も必要な検査となります。足関節や母趾の筋力の確認を行いどの部位で障害が起きているかを6段階で評価します。。
5(Normal) 強い抵抗に勝てる
4(Good) 抵抗に勝てる
3(Fair) 抵抗には勝てないが重力に抗して可動域全体を動かせる
2(Poor) 重力を除去すれば可動域全体を動かせる
1(Trace) 筋収縮あるが動かない
0(Zero) 筋収縮がない
レントゲンを行うだけでは【腰椎椎間板ヘルニア】の確定にはなりません。上記のテストなどを行う事でどの部位での障害が推測する事も可能となります。最も椎間板ヘルニアの診断に有用なのがMRI検査です。椎間板の変性度や脱出形態の確認が可能となります。
腰が痛い!足が痺れる!などの症状がありましたら一度診察を行う事をお勧めします。
理学療法士:薦田